IoTネタ(遭難者などの救助活動のIoT化)
九州大伊都キャンパス(福岡市西区)で行われた、ドローンによる空撮+スマートグラスへの画像共有による救助活動の効率化の記事の紹介です。
http://www.asahi.com/articles/ASK1S71QWK1STIPE03J.html(※記事の抜粋です)
人命救助の現場にドローンなどを採り入れることで救命確率を大幅に高めようとする実証実験が、九州大伊都キャンパス(福岡市西区)で行われた。
実証実験に取り組むのは、救急医療の革新をめざす専門家や技術者らの団体「救急医療・災害対応無人機等自動支援システム活用推進協議会」(東京)。
散歩中などに山林で体調不良になりスマホで119番通報した人を救うため、救助隊が出動するという想定。
スマホから得た大まかな位置情報をもとに、消防指令センターから音声だけで救助隊が指示を受ける従来手法だと、平均36分かかった。一方、ドローンで正確な位置を知ってから指示された場合は平均15分。さらに、救助隊が眼鏡のように装着する小型ディスプレー機器(スマートグラス)を身に着け、ドローンが撮った画像を見ながら指示に従った場合、平均12分まで短縮した。
今回は実証実験なので、実際の救助時間が3分の1になるかはさておき、既存の救助活動と比べて時間短縮に繋がるのであれば良いですね。
本事例で多少問題に感じたのは、森林での救助活動だったので、木の枝や葉に隠れて、救助者を見逃してしまう可能性もありうるということです。この事例が普及したら、「遭難したら、できるだけ空から見える場所で救助を待ってください」というような、救助者向けのガイドラインができるのかもしれません。
この記事をみると、複雑な技術は必要ではなく、技術進歩に捉えたアイデアが、既存のビジネス・モデル再構築の果たしています。IoTビジネスで大切なのは、「開発技術力だけでなく、既存の問題・課題に対してIoT技術を当てはめる企画力」だと感じる事例でした。
(中小企業診断士 布能弘一)