起業への決断について考える

中小企業診断士の布能です。

えいやー、で独立した私ですが、診断士向けの研究会に行くと、「よく独立できたね」と言われることがあります。そうは言われても、以前から独立志向があり、「診断士を取ったら独立する」と宣言していた自分にとっては、怖い・当面の収益の不安を除けば、そこまでは大きな決断ではなかった気がします。独立して生活費以上を稼いでいる人達がいるのですから、動き方次第だと考えていました。ただ、一般的に考えると、独立は「生涯的な価値」としてならともかく、独立してから数年間の収益の安定性の面などの損得から考えると美味しくないのかもしれません。特に、診断士という資格を取る人は、自己啓発の一環として資格を取り、高収入かつ、家計にお金がかかる時期の人が多い30~40代が多いのですから…。

そんな中で、独立済みの人から話を聞くと、準備万端で独立している人はあまり多くない気もします。実際、私もその一人です。独立を決めてから、色々な方のアドバイスを参考にしつつ、自分で動いている気がします。

少し前に独立した人から聞いた衝撃的な話として、「冷静を考えたら独立なんてできない。独立を考えるなら1秒でも早く独立するべきだ」「独立する人は、どこかが壊れている」といったものです。酷いことをいっていると感じますが、どちらも悪意はないと思います。冷静に、天秤の秤の秤の上に、やる・やらない理由の理由を載せると、多くの人は「独立しない」の比重が重くなるハズです。そして失敗は怖いことです。そんな中で、逆張りをするには、ある意味で壊れている部分もあるのだと思います。

とはいえ「壊れている」という言葉は、やはり誤解があるので、2つ程、別の言い方をさせて頂きます。

1つ目は、先日あるセミナーである社長が「~をしたい」という想いの強さを語っていました。その方は、8年位考えていたそうです。まだ駆け出しの私も、「独立するぞ」と決意してから、十年以上たっています。強い想いを長く持ち続けるのは、普通のことではないと思います。「普通でない≒壊れている」と考えれば、確かにどこかが壊れているのだと思います。でも、独立云々はともかく、何かしらの強い想いを抱いている人は多いと思います。例えば、「これだけは絶対やる・やらない」みたいなポリシーを数十年守っている人は、多くいるでしょう。独立までに至った人は、その想いが独立に繋がる何かだっただけなのかなぁ~と感じます。
2つ目は、私が昔から結構好きな言葉なのですが、国民的漫画のHUNTER × HUNTER で、
「自分の理をもってそれを身にゆだねるってのは、なかなか出来ねーんだ」
「正解への道が険しく危ない程、馬鹿と利口両方兼ね備えてねぇと前へ進めなくなる。”理に依って無理に進む”ってやつよ」
というシーンがあります。ある意味で、この馬鹿・無理になるところは、はたから見れば「壊れている」と捉えられるかもしれません。

なんだか、わかったような・分らないような記事になってしまいましたが、今回のテーマである起業への決断に至るには、「冷静な天秤の傾きに捉われず、自身のもつ何かしらの想いの強さをもって、たとえ細い理論でも、理に依って無理に進んでみる」という感じでまとめます。

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