経営者が株式投資にハマるのは事業に身の入っていない証拠
※この記事の内容は、コロナウイルス蔓延の真っただ中で世界的に株価が急下落しているときの話です。
ある経営者同士の飲み会の場で、こんな話がありました。
Aさん:「(株式)投資をしてみようと考えています」
Bさん:「ここには(株式)投資をしようとしている人はいないから話をやめましょう」
私はBさんほど強い否定の言葉はでませんでしたが、気持ちは同じでした。
証券マンや、IPOなどを狙ったベンチャーキャピタル、デイトレーダーなど株式市場に深くかかわる業種は別ですが、株式とまったく関係ない事業を営んでいる場合、株式投資は、思考の分散、資金の分散、時間の分散など様々なマイナス要因があります。
もしかしたら、この後、株価は急上昇して大きく儲けが出るかもしれません。
ですが、例えば、従業員の視点や融資してくれている金融機関の視点から、株式投資にハマっている社長をみたら、どのように感じるでしょうか?
きっと、従業員などからは、まじめに経営をしているとは感じず、冷たい目で見られてしまうでしょう。
また、仮に株で儲けたとして、株で儲けた金が自社を成長をさせてくれるのでしょうか?
おそらく、2匹目のドジョウを狙い、株式に再投資してしまい、9割の人は痛い目を見て終わるでしょう。
こんな時期だから、「あわよくば一攫千金」という考えがでてしまうのは仕方ないかもしれませんが、まじめに事業に身を入れましょう。
どうしても投資をしたいという気持ちが抜けないのであれば、株式投資ではなく、外部環境を見定めたうえで、自社の事業への設備投資や人的投資、リスクヘッジのポートフォリオとなる新たなる事業投資などをシッカリとしていきましょう。
(中小企業診断士 布能弘一)