社会人にとって必要な能力

最近、あるセッションで「〇〇にとって必要な能力は何か?」という質問がありました。
いくつもの答えがでてきて、一つ一つ「なるほどなー」という意見ばかりでした。

社会人にとっての二大能力

上記のセッションの最中に私が考えた、社会人にとっての必要な能力(≒スキル)は、以下の2つです。

  • 専門能力(単純にスペシャリストというよりは、ジェネラリストの広範囲な知識・経験も一つの専門能力とみなす)
  • コミュニケーション能力

どちらも広めの意味として考えてください。

他にも能力には、「リーダーシップ」、「マネージメント」、「ティーチング」、「コーチング」、「経営能力」など様々ありますが、社会人として生きていくには、上記の2つは必須の能力です。

専門能力はなぜ必要?

例えば、どこかの企業に入社すれば、営業、開発、生産、人事、経理、総務などに配属されることが多いですね。
明確な組織を作らない小規模事業者でも、「誰誰には〇〇という役割を期待している」という無意識の合意形成がなされていると思います。
一人会社のように「自分一人だけが働いて社内のことは何でも自分がやる」という場合でも、「自分の会社は●●ということができる」と宣伝しますよね。

とはいえ「自分の(アルバイトなどを含む)仕事は、誰にでもできる仕事なので、専門能力といえるの?」と思っている人がいるかもしれません。
また、最終学歴が義務教育かつ普通科だった人の就職直前は、自分には専門知識を持っていないように感じるかもしれません。
そんな人たちでも、就職する、就職したことで、ある一定の役割が与えられます。
そして、どのくらいの期間務め続けるかは別として、その役割に沿った能力が求められ、その勤めている期間内に分野に適した知識・経験を積み上げていきます。
それは、他の分野で働いている人から見ると、得られない知識・経験となります。

社会は、非常に大きな集団といえます。
そして2人以上が存在する集団では、誰でも一定の役割を担います。
その役割では、効率性を求めるため、個々に応じた専門能力が求められます。
※3人以上の集団では、同じ専門能力を持つ人が2人以上いる場合もあります。

2人以上の集団では、効率化のため、何らかの役割が求められる。そして、役割を満たすためには、専門能力が必要である。

コミュニケーションはなぜ必要?

前述では「専門能力」について話しましたが、集団(≦社会)では、単独で完成する仕事は非常に稀です。

仕事は、最初に誰かから依頼を受け、最後には誰かに報告することで完結します。
また、仕事中にも、誰かと会話を進めながら作業をすることが多々あります。

上記には必ず、「誰か」という主語がつきます。誰かとやり取りをする、それは「コミュニケーション」です。
そして、Yes/Noで答えらえるものを除けば、誰かに自分の意図を伝えるのは、難しいものです。
自分の意図を明確に伝え、集団運営の円滑化するには、コミュニケーション能力が必要です。

毎年4~6月になると、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)という言葉を頻繁に聞くことになる人が多いかと思います。
ホウレンソウは、社会人としてのコミュニケーションでも、最も大切な3つのことです。

2人以上の集団では、効率化のため、何らかの役割が求められる。そして、役割を円滑に遂行するには、コミュニケーション能力が必要である。

社会人の活動は、すべて協働である。

チェスター・バーナード – Wikipedia

彼は組織をシステムとして定義し、「意識的に調整された2人またはそれ以上の人々の活動や諸力のシステム」とした。これは公式組織の定義であるが、その成立のための条件として組織の3要素:共通目的(組織目的)・協働意志(貢献意欲)・コミュニケーションを示した。

バーナードの組織システムの定義の中で「協働」という言葉が出てきましたが、これは「協力して働く」ということです。

 協力して働く = 各企業・各部門・各自の持つ専門能力 × 上下左右の意思疎通(コミュニケーション)

ともいえます。

協働が基本となる社会人にとって、「専門能力」と「コミュニケーション」は、必須の能力だと感じませんか?

 

(中小企業診断士 布能弘一)

 

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