利害関係者からの信頼・協力を得る
事業を続けていくには、様々な利害関係者(ステークホルダー)と協調していく必要があります。
例えば、自社を取り巻く利害関係者には、以下の図のような人々がいます。
自社のライフサイクルと利害関係者との関わり方
自社が、創業期、成長期、成熟期、衰退期、事業承継期など、どの段階でも、これらの人々との付き合いが必要です。
ただし、ライフサイクルごとに、関わり方は若干異なってきます
- 創業時は、こういった人々と繋がりを増やしていくことが大切です。
- 成長期には、これらの利害関係者を増やすとともに、信頼を獲得していく必要があります。
- 成熟期には、これらの利害関係者との信頼関係を深めるとともに、新たな関係を模索して、さらなる成長を目指していく必要があります。
- 衰退期には、これらの人々の助けを得ながら、自社の立て直しをしていく必要があります。
- 事業承継期には、後継者は先代経営者から利害関係者を引継ぎつつも、後継者個人への支持や信頼を獲得していくための自助努力の必要があります。
特に、創業期、衰退期、事業承継期は、利害関係者からの助けが必要となる時期です。
こういった時に、助けてもらえるようには、利害関係者と信頼関係を育んでいく必要があります。
利害関係者との信頼関係を育み、支援される企業になる
利害関係者から自社を支持・支援しもらうには、例えば、以下のようなことを続けていく必要があります。
- 経営者に人間的な魅力があること、魅力的になるように切磋琢磨すること
- 自社、経営者のもつ美しい価値観を明確に示すこと、共感してもらうこと
- 誠実、謙虚であること
- 明るいこと
- 感謝の気持ちをもって接すること
- 適切な情報を発信していくこと
- 自分が話すだけでなく、相手の話をきちんと聞くこと
- 何度も会いに行き、関係性を高めること
- 製品・商品・サービスが顧客や地域社会にとって役立つこと、さらなるお役立ち度を高めること
- 自己のメリットや利益だけでなく、利害関係者のメリットや利益も考えること(利他であること)
- 新たな出会いを求め、交流会・勉強会などに参加していくこと
- 利害関係者の状況・立場を考えた、紹介ができること
- 必要に応じて、利害関係者に助けを求められること
- etc.
これらの活動は相手任せではなく、自らが主体性をもって行動する必要があります。
さらに、これらは一日でできることではなく、愚直に何か月、何年も地道に行っていく必要があります。
このようなことを続けることで、利害関係者との信頼関係を育み、支援される企業となり、さらには価値観を共有しつつも共生共益できる企業群づくりへと繋がります。
私自身も道半ばですが、利害関係者からの信頼を得て、お互いが助け合いつつ、共生共益していけるように自ら精進し続けていきたいですね。
(中小企業診断士 布能弘一)