”信託”に関する思い出
昨日、事業承継の研修を受講していた際に、「信託」という単語を久しぶりに聞いた。
研修の話自体は、「生前贈与と死後相続のどちらが事業承継に有利か?」という2局的な話ではなく、第3の手段として財産権と経営権を分離した「信託」もある、みたいな話だった。
「信託」の意味を初めて理解したのは、自分にとって初の業務系資格として取得した「二種証券外務員」だった。
それまでの資格の取得は、自らの業務に直接役立つ可能性の高い、Microsoft系や、Oracle系、Linux系といったベンダーの開発・技術系が中心だった。
色々とあり二種証券外務員を取ろうと決意したものの、IT系の技術書にも、IT系ベンダー試験にも100%出ることのない「信託」という単語は、全く意味が理解できず、何度も何度も見直した記憶がある。
「〇〇を信じて託す」、ただそれだけの意味なのだが、信託銀行とか投資信託とか、そんな言葉に惑わされ、すごく混乱していた。
この試験自体は暗記でパスできるので真剣になる必要はないのかもしれないが、資格取得よりも内容理解が目的だったので、理解ができないと先に進まない。信託、信託銀行、投資信託のあたりは10回ぐらい読んで、ようやくおぼろげなイメージができた。
個人的に「二種証券外務員」の資格を取ろうと決意したあたりから、いろいろと見え方が変わり始めた。
その後、紆余曲折して、中小企業診断士の資格の存在を知り、取得し、今に至るという流れがある。
そう考えると、非常に感慨深い単語である。
(中小企業診断士 布能弘一)