事業承継においてはプレ承継の期間も大切
最近の事業承継では、会社の現状があり、経営の「見える化」を行い、会社を「磨き上げ」、事業承継して、未来の会社を作り上げる、という手順で行っていくことが推奨されています。
この中で、『経営の「見える化」と会社を「磨き上げ」』を合わせて、プレ承継という言葉を使うこともあります。
プレ承継の必要性
なぜ、プレ承継が必要なのでしょうか?
事業承継では、何の対策も取らないまま、誰かに後継者になってもらったり、会社を売却しようとしたりしても、なかなか実現しづらいところがあります。
後継者の考えていることや家族の状況や、会社の買い手の思惑などもありますが、そもそも、他の企業の中身はほとんど見えない状況です。
さらに、(意図的な面もあるとしても)中小企業の多くは赤字の連続や、債務超過であることも多くあります。
中身が見えず、赤字、債務超過である企業の後継者になりたい、買いたい、などと思う人が多くいるとは思えません。
しかし、現在の会社の強み、弱みが見え、今後どんな将来像を見据えて活動中である、赤字や債務超過は何年後に解消する、その結果、どのように社会貢献している、後継者の報酬はどれくらいになる、など現在も未来も見える状態でしたらどうでしょうか?
会社の魅力が一気に上がります。
あとは、後継者や買い手の状況次第です。
後継者や買い手の状況というのは、事業承継を行おうとしている会社にとってコントロールしづらいことです。
しかし、経営の見える化と会社の磨き上げは、会社にとってコントロールできることです。
しかし、経営の見える化は3か月~1年ぐらいで何とか見えてきますが、会社の磨き上げは数年単位です。
さらに、そこから後継者に承諾してもらうにも数年かかるといわれています。
「自分の年を考えたら、もうそろそろ事業承継も…」と考え始めてからでは、時間が掛かり過ぎてしまいます。
いまの事業がどうであれ、まず、プレ承継に取り組んでみませんか?
当事業所では、後継者の育成や、経営の見える化、会社の磨き上げ等も行っています。
(中小企業診断士 布能弘一)