事実に基づく意思決定とITの利活用

おはようございます、中小企業診断士の布能です。

昨日、「優れた企業に共通する経営理念」という記事で、以下の5つのことを挙げました。

  1. 高い倫理規範の維持
  2. 事実に基づく意思決定
  3. 外部環境への適応と変化
  4. 実績に基づく社員の評価
  5. スピード重視の経営

このうち、「2.事実に基づく意思決定」と「ITの利活用」は非常に相性がいいと考えています。

ITを活用した経営判断を行っている企業の事例として、2016年版中小企業白書から、「駐車場の業務委託を行っている芝園開発株式会社(事例2-2-2)」の一文を紹介させて頂きます。

このシステムの導入により、業務効率化によるコスト削減に成功、さらに2006年度と2012年度を比較すると、売上高を10%、経常利益を90%増加させることができた。また、駐車場施設の地主との借り上げ賃料の交渉や不採算施設の閉鎖といった重要な経営判断も、データの裏付けにより行えるようになった。

ITの利活用というのはデータの整理とデータの共有という側面があります。そして、データとは数値化されている事実なのです。データ化された事実を経営の意思決定に用いることで、主観を除外し、事実を基にした客観的な判断を下すことが出来るようになります。事実を基にした経営判断は、前述の「3.外部環境への適応と変化」「4.実績に基づく社員の評価」「5.スピード重視の経営」へと繋がります。

現在、中小企業のITの利用度は、業種によっても異なりますが65%程度です。また、利用業種も、財務、人事などのパッケージの導入や、ホームページを使った販促・販売活動が主体となっています。IT投資への効果の不安、IT人材が活用できない、などの問題はあるとは思いますが、是非とも全社的なIT投資を積極的に進めて、経営の意思決定を促進しやすいデータを収集できるようになって頂きたいと、私は考えています。
※以降の図表は、2016年版中小企業白書を参照しています。



 

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