「IoTの基礎と活用」というセミナーを講演してきました。
去る2017年1月22日、葛飾区立石図書館で「IoTの基礎と活用」というセミナーの講師をさせていただきました。
参加者やターゲット像ついて
定員が30名のところ、応募が43人あり、最終的な参加者は39人+応援に駆け付けてくれた中小企業診断士4人ということになりました。
セミナーテーマを考えてたのは私ですが、本セミナーの開催については、東京都中小企業診断士協会城東支部にて懇意にさせて頂いている葛飾区図書館のビジネスセミナーから城東スキルアップ経由でお話を頂きました。
企画立案の当初は、「IoTは特殊な分野だから、30人定員とはいえ、応募者は10人集まれば御の字だろう」だと想像していたのですが、想像以上に人数が膨らみ、嬉しい限りです。
応募者が増えた理由は定かではないですが、いま振り返って考えると以下の要因があるのでは?、と考えています。
- IoTはニュース、新聞で取り上げられる話題のキーワードだった
- IoTがどんなものかイメージできない人が多かった
- IoTを活用しようとする企業が多かった
- 主催元の葛飾区図書館のビジネスセミナーの認知度が高まっていた
- 葛飾区で話題が上がりそうなテーマ(キャプテン翼、平松伸二漫書展、成人式など)のFacebook投稿が直前にあり、本セミナーの案内投稿のタイミングが絶妙だった
なお、少し広めのテーマに設定したこともあり、本セミナーではターゲット像を2つ設定しました。
- IoTを知りたい人(初心者~)
- IoTを活用したい人(中級者~玄人)
とはいえ、どの出席者にも楽しんでもらうために、講義内容は初心者を主眼に構成しました。
反響やセミナー進行について
まだ主催元からアンケート結果を頂いていないため想像ですが、マズマズだったのではないか考えています。
現時点の私の評価は、100点中75~78点ぐらいです。
少なくとも眠っている人や途中退席者は皆無でしたし、何人かの受講生の方から「分りやすかった」「大変参考になった」と言ってもらえました。
私は、これまで何度もITやIoTのセミナーを受講したことがありますが、一方的に喋られるセミナーが多かった気がします。一方で、IT、IoTセミナーではないですが、同業の中小企業診断士(特に独立した人)がセミナー講師の場合や、楽しめるセミナー講師の場合には、「受講生を本当の意味で参加者にする」といった仕掛けを色々と入れているように感じます。
つまらないセミナーにならないように、本セミナーでは、以下のことに注意してみました。
- 2時間セミナーを約25~30分に分け、そのたびに参加者が何らかのアクションをしてもらう
- 専門用語が多くなるため、初心者向けに可能な限り、身近な例や挿絵を入れる
- 玄人でも一度は唸る知識を入れる
これらについては、次から簡単に説明します。
1.25~30分ごとに、参加者が何らかのアクションをしてもらう
まず、今回のセミナーを開催する前に、色々な方からアドバイスを頂きました。
その中に「人間の集中力は25分である」という話がありました。つまり、25分以内に、受講生の興味を引くことを、なんらかの仕掛けを入れる必要があります。そのためには「話題を変えるとよい」というアドバイスをしてもらいました。とはいえ、IoTセミナーは新しいことが多い分野のため、スライドを1~3枚めくると新たな話が出てくるので、「話題を変える」というテクニックをそのまま使うのは難しいと感じました。
また、「ワークを取り込んだセミナーは満足度が高い」というアドバイスもありました。IoTセミナーでは、なかなか難しい注文でしたが、自身の経験から納得感がありました。
更に、「最初の5分が勝負」というアドバイスもありました。ここは、面白いことの言えない私にとっては、一番苦手な部分です。
これらを踏まえ、以下の取り組みをしてみました。
- 入り口に立ち、受講生の来場時に挨拶をして、チョットした関係性を構築する。
- セミナー冒頭に、ドローン(正確にはおもちゃのラジコン)を受講生に回し、実際に手に取ってもらう。(経験価値の五感に訴える価値の触覚)
- 最初の10分以内に、受講生全体に質問を投げかけ、手を挙げてもらう。
- 開始30分ぐらいで、簡単なグループワーク(隣の人と話す)をしてもらう。
- 開始1時間ぐらいの休み時間に、ドローン(正確にはおもちゃのラジコン)を飛ばす。
- 開始1時間半ぐらいで、個人ワークを入れて、考えてもらう。
- 最後に質問時間を設ける。セミナー後にも個別の質問に答える
これらにより受講生が傍観者となることが無くなり、「受講生を本当の意味で参加者にする」という目的に近づけたのではないか、と考えています。
葛飾区立石図書館 ビジネスセミナー
中小企業診断士 布能弘一先生
「IoTの基礎と活用」増枠した席もほぼ満席です
2.専門用語が多くなるため、初心者向けに可能な限り、身近な例や挿絵を入れる
悩ましいことの一つは、専門用語の存在です。
IT、IoT系のセミナーが初心者受けしない場合の多くは、「自分たちが知っていることは、みんな知っている」「専門用語を使うことで、自分たちが専門家であることを強調しよう」等の思い込みに起因するものだと感じます。このため、用語の説明なしで専門用語を多用します。そして、無料セミナーであれば、開始20~30分後には、3割の人が内職したり、寝たりしています。非常に悪いセミナーでは、退出者が続出します。※ある意味で、自身の経験談でもあります。
とはいえ、IT、IoT業界は、業界用語や専門用語の塊みたいなものなので、初心者向けのセミナーが作り辛いことも現実です。
今回のように、初心者もターゲットにした場合には、専門用語を出す前に、身近な例を沢山出して、なんとなくのイメージを作っていくことが大切だと感じます。
また、専門用語のイメージを払しょくするには、挿絵が重要で、初心者にも「なんとなく理解できた気がする」という印象を作るため、初心者向けと思われるスライドには、全て挿絵を入れることにしました。
3.玄人でも一度は唸る知識を入れる
今回のセミナーのターゲットは、初心者だけでなく、ITやIoT業界が受講生となることを想定してテーマを決めました。こういった受講生には、私よりもIoTの知識を持った玄人がおり、初心者向けの内容だけでは「物足りない」、「当り前のことばかり」などと思われる可能性があります。
本セミナーでは、こういった人に対し、「IT、IoTだけでなくビジネスのバランス感覚が大切だよ」と伝えたいという想いがありました。
このため、IoTの話を交えつつも、あえてビジネスで必須となるマーケティングや、事業の企画について考えてもらう場面を作りました。
これにより「今回セミナーは、全然物足りなかった」という人は、全体の5%未満に抑えられたと考えています。
要望があれば、是非とも、本セミナー「IoTの基礎と活用」を再度開きたいですね~。
※一応、本ホームページのお問い合わせページへのリンクを載せておきます。
(^^♪
お問い合わせページ
(中小企業診断士 布能弘一)