「福祉を変える経営」を読んでみた
最近、「福祉を変える経営~障害者の月給一万円からの脱出~」(2003出版)という本を読みました。
著者は、ヤマト運輸の元社長さんです。
感想みたいなもの
この本を知ったのは、「経営のことがわかる本」と書いていたサイトの記事を読み、興味をもったからです。
本書を読み、障害者の賃金が一月1万円という労働環境(2003年以前)についても驚きましたが、個人的には、経営の考え方、知識、運営方法など非常に平易な文章でまとめている点が凄いな、と感じました。
目次構成とは異なりますが、以下のような感じの内容でした。
- 障害者を取り巻く労働環境
- 障害者の福祉環境へのヤマト福祉財団の挑戦
- 障害者への福祉事業を例とした、経済・経営に関わる考え方や知識の学び
特に注目したのは「経営は金儲けで汚いではなく、お客さんに喜んでもらい、その代わりにお金をもらう」という考え方です。
これは、ヤマト福祉財団の運営する無料(格安?)の研修に参加する、清貧を旨とする障害者の福祉事業の関係者に対し、 「福祉事業でお金を稼ぐという意識を持ってもらい、障害者の従業員の賃金に還元する」ことを目的に、研修で伝えている考えです。
このことを本書では、「人のためになるサービス、人がほしいモノ、そういったものを一生懸命努力して生み出し、お手元に届ければ、世間のお客さんがサービスを利用し、モノを買ってくれる。つまりお客さんのために頑張ったごほうびとして収入が増える。この金儲けの原則を決して忘れないでほしいのです。」とまとめています。
いわゆる「顧客に対する自社の価値(顧客価値)」のことですが、大事なことですよね。
企業経営に関わる人には、是非とも読んで欲しい1冊だと感じました。
(中小企業診断士 布能弘一)